ぼんやりするとアイデアが出る?創造性と注意を調べた2つの実験
授業中や仕事中に、気づくと別のことを考えていた。そんな「心の寄り道」は、集中をじゃまするだけでしょうか。それとも、新しいアイデアにつながることもあるのでしょうか。2026年の研究は、二つの実験でこの問いを調べました。
研究者が比べたもの
Berna AltunisikさんとAndrew F. Jaroszさんは、実験中に心が別のことへ向かう様子、ふだんの考え方についての質問、創造的な問題を解く課題を組み合わせました。実験1では、単語を見分ける課題や映像を見る課題を使いました。実験2では、注意を保つ力や感情についても調べ、課題による違いを比べました。
創造性は、ただ珍しい案を出すことだけではありません。役に立つ、新しい見方がある、といった点も関わります。この論文では、ひらめきの複数の面を別々の課題で測っています。
わかったこと
実験1では、意識して考えごとを広げる傾向が強い人ほど、創造的な問題解決の成績が高いという関連が見つかりました。実験2では、注意を保つ力と、ふだん意図的に考えを巡らせる傾向の両方が、創造性の課題の成績を予測しました。
一方、実験中にその場で起きた心の寄り道は、実験2では創造性と有意な関係を示しませんでした。つまり「ぼんやりする時間を増やせば、誰でも創造的になる」とは言えません。考えが広がる傾向と、その場で注意がそれることは、同じ現象ではないようです。
生活で参考にするなら
アイデアを考えるとき、まず集中して材料を集め、その後に少し歩く、休む、別の作業をする時間を作る方法があります。発想が広がる人もいるかもしれません。ただし、この過ごし方が創造性を高めると今回の研究が実験で確かめたわけではありません。自分に合うか試すための案として受け止めてください。
まだわからないこと
この論文は人を対象とした二つの実験ですが、PubMedの要旨には参加人数や年齢の詳しい情報がありません。原著全文を確認できていないため、効果の大きさや年代ごとの当てはまりもここでは示せません。結果は、意図的な思考傾向と課題成績の関連を示したもので、心の寄り道が創造性を引き起こすと証明したものではありません。
論文情報
- 英語タイトル:A multi-measure investigation of mind wandering, creativity, and attention
- 日本語タイトル:心のさまよい・創造性・注意を複数の方法で調べた研究
- 著者:Berna Altunisik, Andrew F. Jarosz
- 発表日:2026年8月26日オンライン公開
- 掲載誌:*Consciousness and Cognition* 144, Article 104117(査読済み)
- DOI:10.1016/j.concog.2026.104117
- 原著論文:出版社の論文ページ
- 確認範囲:PubMedの要旨と書誌情報を確認。原著全文は未読。人を対象にした2実験で、実験課題の成績と考え方の傾向の関連を調べています。
創造性には、集中して考える力と、考えを広げる力の両方が関わる可能性があります。自分のアイデアが生まれやすい時間の使い方を、記録しながら探してみましょう。